平日は買い物位しか使わない、週末にちょっと乗るだけ…。
都内に住んでいると、交通機関も便利です。
せっかく車を持っていてもあまり利用しない人も多いのではないでしょうか?
でも、レンタカーだといちいち手続きや予約が厄介ですよね。
そんな車の利用法のメリットとデメリットを考えて、
新たに誕生したのが「カーシェアリング」というシステムです。
これはスイスで発祥したシステムで、その歴史は1980年代にまで遡ります。
カーシェアリングの仕組み
2013年の平均相場を見ると、東京都内の一世帯あたりの駐車場代平均額は30,368円。
ただでさえ車は維持費がかかるのに、これはさすがに高すぎだと思いませんか?
サンデードライバーなら1ヶ月に車を利用するのはせいぜい4~8日使えば良いでしょう。
勿体ない、何とかしたい、そういう声から生まれたのがカーシェアリングです。
複数の人間が集まって、1台の車を所有する。
利用時間はレンタカーの様に半日単位ではなく、15分~1時間でもOK。
利用する時間分だけ借りればよいという、登録会員による自動車共有サービスです。
カーシェアリングすればマイカーのように自動車保険料や自動車税などの各種税金、車検代などの維持費がかかりません。
個人が車を所有しなくなれば、CO2排出量を減らす事ができます。
環境面でも優れたシステムといえるでしょう。
所有派の方の中には車自体の資産価値を考える方もいますが、土地や時計などと比べてもリセールバリューが悪いのが自動車です。
車買取を依頼したことがある方ならわかると思いますが新車時(中古車なら購入時)からの値下がり具合はとても残酷な数字です。
新車だとしても3年乗ったら半額、もしくはそれ以下になることを覚悟する必要があります。
逆に言えば、値下がりのリスクからも開放されるのがカーシェアリングの利点でもありますね。
カーシェアリングを利用するには
最近ではマンションにカーシェアリングのサービスが付随している所もあります。
利用する場合はあらかじめ会員登録する必要があります。
利用するときはインターネットや電話で予約を入れ、駐車場まで出向いて、IC機能のついた会員カードなどでドアロックを解錠する方法が一般的です。
カーシェアリングの詳しい利用方法
レンタカーとカーシェアリングの違い
一番の違いは使用時間の細分化でしょう。
レンタカーは3時間、半日という料金プランが大半ですが、カーシェアリングでは15分程度から利用可能です。
会員になる事で、利用者は電話1本で利用したい時に車を利用出来るカーシェアリングに比べ、レンタカーは借りる時にいちいち書類を書いたり、保険に加入する必要があります。
また、レンタカーがガソリン満タン返しが基本なのに比べ、カーシェアリングではガソリン代不要、又は利用者が必要に応じて車内にあらかじめ配置された専用の給油カードを用いて洗車や給油を行うのが一般的です。
レンタカーとの違いを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
最近の動向
都内のニーズの多さに注目して、専用のカーシェアリングの会社以外に、ファミリーマート、三井不動産、フォルクスワーゲンといった異業種や自動車業界も参入しています。
あらかじめ時間貸しの駐車場に専用のカーシェアリングの車を止めておき、近所の会員に利用しやすいサービスを提供する会社もあります。
カーシェアリングの問題点
利用する側にとってはメリットの大きいカーシェアリングですが、経営する側はリスクの多いシステムの様です。
車の維持費に加え、故障や事故による車両の入れ替え等、車を所有する費用はバカになりません。
会員を増やさなければ会社の利益は薄くなります。
しかし会員を増やすぎると利用出来ない会員も増えるというジレンマも考えられます。
カーシェアリングが普及し始めた2011年~2012年の1年の間にカーシェアリング業界から撤退、もしくは自己破産した会社は3件報告されています。
今の所、カーシェアリング業界は、オリックスグループ、三井物産グループなど、資本力のある企業が主に参入している様です。
カーシェアリングの例
月会費:980円(個人会員)
利用時間:10分80円~160円(プランによって異なる)
予約時間が6時間以内なら、距離料金はかかりません。
年間契約をすれば、月会費が無料になる割引があります。(年会費4,800円)
また、学生なら月会費が4年間無料になります。
カーシェアリングのデメリット
一般のレンタカーなら毎回返却の度に清掃してくれますが、カーシェアリングの場合、マナーの悪い会員によっては汚したまま返却する人がいるかも知れません。
カーシェアリングの車は大体が無人の駐車場に置かれていますから、返却時に車の中をチェックする人はいません。
使用後はゴミを残したりしないように綺麗に使うのが大人としての礼儀ですが、中には当てはまらない人もいます。
神経質な方の場合、不愉快な思いをするかもしれません。
喫煙・禁煙の有無、ペットを同乗しても良いかなど、細かく規定のあるカーシェアリングを選んだ方が気持ち良く利用出来そうです。
また、人気のあるカーシェアリング会社だと、会員の登録が多すぎて使用可能な車の種類や台数に違いがある場合があります。
自分の自宅近くのステーション(借りる場所)ではいつも予約が取れない、といった問題も発生するかもしれません。
カーシェアリング会社に登録する場合は、よく利用状況を確認した方が良いでしょう。